多くの点から、ラボのターンアラウンドタイム(TAT)は自由に使えるリソースに左右されます。資源があればあるほど適切な使い方ができるため、TATを短縮させるアプローチが色々なかたちで実行できます。
もちろん利用可能なリソースには限度があります。誰も「迅速に処理できるならばコストは気にしない」なんて言えません。現実的にはどのラボも、予算と求められる迅速さの間で上手くバランスを取っています。
今あるものを活用
アクセス可能なリソースから最大限の価値を引き出すことで、コストをかけずにTATを最適化することができます。
教育によるTAT短縮
- ラボスタッフに適切なトレーニング・教育・専門家のサポートを提供し、時間とエネルギーを正解探しではなく効率的であることに充てるよう促します。
- 形式的な講座にこだわらず、知識と経験を積む教育にも注力します。たとえば: 機器やコンピュータプログラムを適切に操作する・結果を正しく読み取る・人手不足のときに適切なサポートをする・ポジションに適した判断を下すなど。
- どのような教育がスタッフのためになり、TAT短縮を実現できるか迷ったときは、スタッフの意見に耳を傾けましょう。
テクノロジーによるTAT短縮
- 多くの検査室は自身の技術をフルに活用できていません。システム設定に時間をかけなかったり、あるいは処理プロセスやスタッフ教育といった初期段階で間違っていたりするのが原因です。現状の再分析は、技術を最大限に活用につながり、長い目で見れば時間短縮をもたらします。
- 結果をトレースするためのシステムを有効活用すれば、手作業による結果の確認や多くのチェック作業を省くことができます。キャリブレーションされた機器とメッセージ機能を活用すれば、スタッフは重要なポイントのチェックにだけ時間を割くことになり、時間短縮につながります。
- 利用可能な機能やオプションがフル活用できているか判断できないときは、ITチームに相談してみるか、納入業者から機能を学びましょう。
品質管理(QC)によるTATを短縮
- TATやその他の品質指標(エラー率・ガイドライン準拠・異常値の再検結果など)を継続的に追跡・分析することで、ラボの改善ポイントが明確になります。総合的な品質管理として追跡する、または今後追跡する主要な測定基準を明確にし、TAT短縮のレバレッジ効果が最も高い指標に集中して改善に取り組みましょう。
- ラボ内のあらゆる面の品質を向上させることで、ミスの修正や混乱状態の解消に割く時間が減少し、結果的にTAT短縮につながります。
実現可能なプロジェクトに対する現実的な視点
どのように分析・処理するかを問わず、TATは患者さんの健康と検査室の機能に重要な意味合いをもっています。TATを数分短縮するために大がかりな再編成や、専門コンサルタントに相談をする必要はありません。そのようなことをしなくても、大抵のラボは今あるリソースを最大限に活用し、教育や技術や品質管理を見直してTAT短縮への手がかりを見つけることができます。
複雑で費用のかかるミッションをTAT短縮ために開始する前にまず、手元にあるリソースを最大限に活用してみてください。その効果はきっと予想以上のはずです。