タイにおけるベンチマーキング:臨床検査室の責任者による機会の創出と、課題への取組み

May 13, 2019

タイ国内の臨床ラボの管理者は、その多くが検査室間のパフォーマンス比較評価に役立つ、ベンチマーキングサーベイに参加している。内部データを第三者と共有することを躊躇したり、結果解釈に苦心している管理者も依然としているが、タイ国内の臨床ラボの情報共有が進むことは、ベンチマーキングプロセスにとって有効なことである。 「ベンチマーキングサーベイに参加することで、自検査室のレベルが同等規模病院を上回っている、という情報を自ラボのスタッフに提供できます。また、自ラボが優れた技術を備え、かつ正しく検査を実践していることも確認できています」と、バンコクのPhramongkutklao Hospital(陸軍病院/教育病院)のPathology Divisionを統括する医師であるJaratphong Kasemmongkol大佐は述べる。同医師はベンチマーキング活動を補完するため、各施設の成功事例を視察する目的で、スタッフを民間病院や大学病院に定期的に派遣している。 しかし、国内の一部の臨床ラボは、臨床ラボのパフォーマンスに関する内部データを共有することに懸念を抱いていると、バンコクを拠点とする民間臨床検査会社であるProfessional Laboratory Management Corp(PROLAB)のManaging DirectorであるNitaya Chomngam氏は指摘している。通常のベンチマーキングサーベイでは、企業ごとのデータが提示されることはない。ところが一部の管理者はデータ共有によって、自施設があらさがしをされたり、競合相手に弱みを見せることになったりはしないかと、過敏になっている。「他のラボがあなたのラボに関する情報を利用する、という不安を捨てましょう。我々が競うべきは我々自身のみです。前進しましょう」とChomngam氏は主張する。 多くのベンチマーキングサーベイで調査対象とされるテーマの一つに検査所要時間(TAT)がある。TATは、臨床検査室のスピードと効率の重要な指標である。「特に迅速検査が必要である場合、スピードは極めて重要です」とKasemmongkol医師は語る。同医師は、迅速検査に関するベンチマーキングの結果を引用し、自チームへの依頼があった際のTATが、平均より15分も短かい60分だった事実と、この結果によってチームが獲得した自信とを強調した。 このような結果を評価する際には、自検査室と組織構造が類似する検査室と比較することが重要である。例えば外部検査機関は、現場で検体採取が行われる病院の臨床ラボと比較して、TATが長くなりがちである。Chomngam氏が所属するPROLABでは、外部検査機関のTAT改善のため、ハイスループット設備・自動認証ツールなどの技術が採用されている。「当社は院外の委託検査機関ですが、院内検査室に負けないサービスの提供に努めています」と同氏は語った。 ベンチマーキングのもう一つの利点は、どのくらいの割合の検査室が国際規格(ISO15189・ISO15190など)または国内規格(同国の場合Thai Medical Technology Councilによる規格など)に基づく認定を申請しているのか、把握できる点である。また同様に、他検査室の集約化や標準化による、検査室業務のコスト合理化への取組みも知ることができる。 Kasemmongkol医師およびChomngam氏は、ベンチマーキングによって、自ラボがサービス提供基準に適合すること、あるいは業界内でも優れた迅速性を備えていることを確認できた。両氏は、成功事例とデータの共有が活発な、オープンかつフェアな文化を育むことにより、作業効率の向上とビジネスにおける成功を達成した。 

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